中富良野町西中の圃場で収穫した貴腐ブドウを、ワイナリーに運び込み、そこでさらなる選果を行います。圃場では、貴腐化の進んだ房を選んで収穫していますが、ワイナリーでは、そこからさらに、干しぶどう化した実のみを一粒一粒手作業で選び出しだします。通常の選果よりも多くの時間と手を掛けて選び抜かれたブドウのみが貴腐ワインの原料となる、このことも「高貴なる」と言われる所以のひとつかもしれません。
圧搾は、新型のバスケットプレスを使用して時間をかけながら回収しました。干しぶどう化した果実を搾るので、通常のブドウに比べると同じ重量から得られる果汁の量は非常に少なくなりますが、その分、凝縮された果汁となり、搾汁後の果汁糖度はBrix計で38%にもなります。これは、通常のワインを造る時の約2倍の糖度が含まれていることになります。糖度の高さは上品な甘さに繋がる一方で、発酵のコントロールや品質管理にも細心の注意が必要となります。
搾汁された果汁はタンクへと移され、厳密な温度管理のもと、ゆっくりと時間を掛けて発酵を進めていきます。